歴史は繰り返す、よく聴く言葉ね、そう、歴史は繰り返し続けながら進化するのよ。

308 :妄想物語 チラ裏では無いです :sage :2009/09/28(月) 19:09:49 (p)ID:sCfadecU(2)
 険しい表情で報告書を読んでいるお嬢様、その尊顔は日々悪くなっている。
 だが我ら侍従には、それを改善して差し上げる事はできない。
 執事供の許可がない限りは、何もするなと厳命されている。
 僅か10日の間にこれほどお嬢様の体調が悪くなるとは、覚悟をしていたが肝が冷えていく。
 事前に受けている言葉の通りに進めば、お嬢様は倒れる寸前までになるだろう。
 それにも関わらず、何も出来ない我らは、ただ見ているしかないのだ。
 事態が動くその時まで…そんな日々の中、お嬢様の元に、訪問者があった。

「失礼致します、就任のご挨拶に参りました」
 予定通りの訪問、我ら侍従が一安心したの、隠しようがない事実であった。
 判っていはいたが、万が一は常にある。
 だが、お嬢様は当然のように頷いた。
「適当にやるように」
「はい」
 男は深々と頭を下げた。
「これは土産です、お茶菓子にしてください」
 男が差し出したのは、各地の銘菓だ。
 お嬢様の険しかった顔が、ふわりと笑顔に変わった。
「あら、おいしそう、そうね、後で戴くわ」
 男の顔が険しくなった。
「お嬢様、申し訳ありませんが、今しばらく辛抱していただけますね」
 質問ではなく決定稿であるように、男は言った。
「心配無用、この程度の体調不良で前後不覚にはならないわ、貴方は貴方の為したい様に為しなさい」
「申し訳ありません」
 深々と頭を下げる男、その頭を見ながら、お嬢様は笑う。
「貴方に意地を張ってもしかたがないわ、この先を克明に見通す者よ。昔に比べればまだまだましよ」
「そうですね、国は荒れ果てはしません」
「歴史は繰り返す、よく聴く言葉ね、そう、歴史は繰り返し続けながら進化するのよ。
 でも当事者が歴史を繰り返したら?それはもう老いとの戦いでもあるわ。
 老獪として乗り越えれるか、それとも老い故に早期に倒れるか、ねぇ、どうするのかしら彼らは」
 お嬢様は冷酷に笑った。
「それほどお待たせはしません、何より人々は昔より短気になりましたから」
 男は決して頭を上げようとはしない。
「そうね、そうそう、紅茶の変態紳士から内々にお祝いの手紙が来てたわよ。ぷろてすたんとの総裁の誕生を祝うですって」
 その言葉に男は反応した。
「光栄です」
 頭を上げた男はニヤリと笑った。


 前回はカトリック、今回はプロテスタント。

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[ 2009/09/29 11:35 ] 日記 | TB(0) | CM(0)

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