新しい執事が挨拶にやってきた。 執事「私が執事となりました、よしなに」  慇懃に会釈をした執事を、お嬢様はディスクの椅子に座り、冷ややかに見ていた。

980 :妄想物語…チラシの裏で無いですよー :sage :2009/09/19(土) 23:44:24 (p)ID:qNVa3iV7(2)
 新しい執事が挨拶にやってきた。
執事「私が執事となりました、よしなに」
 慇懃に会釈をした執事を、お嬢様はディスクの椅子に座り、冷ややかに見ていた。
執事「私が執事になったからには、一切の事を侍従の好きにはさせません、どうぞ頼りにしてください」
 お嬢様の表情はまったく動かない、凍てついた瞳で執事に答えた。
嬢「ところで、故人献金はどうなったのかしら?」
執事「そ…それは…説明責任は果たしたと考えております」
嬢「そう、私は納得していません、きちんと説明をしなさい」
執事「そ、それは、秘書が勝手にやった事でして、その秘書も責任を取らせました」
嬢「その金はどこから調達したの?」
執事「そ、それは、顧問弁護士に調査させております」
嬢「未だに判らないの?」
執事「調査が済み次第、ご報告いたします、それでは失礼させていただきます」
 執事は私たち侍従を睨み付けると、そそくさと退室した。

嬢「退室を許可していないのに、勝手だ事」
 感情をまったく感じない声、冷徹な支配者、それがお嬢様の顔の一つでもある。
 侍従達はディスクの前に並んだ。
侍従「お嬢様…家の者がかなり混乱しています、何より、アパー・テンの能力に対して不安を持っています」
侍従「ロワー・ファイヴの動揺は通常業務に支障をきたすレベルになりました」
侍従「他国からの干渉がすでに表面化しております、ですが我々は動くことができません」
嬢「そう…ロワー・ファイヴの多くが彼を支持したと言うのに、采配を振るう前から怯えるなど、愚かしい」
 凍てついた声に、我々侍従達も凍えそうになる。

嬢「執事の言葉に従うのが私に架せられた約定、ですが、貴方達にはその約定は関係無いわ」
 先達から聞いただけであったお嬢様の姿、それが今、再び現れようとしている。
 お嬢様はゆっくりと立ち上がった。
嬢「踊れば良い、皆、踊れば良い… 自分で選んだ曲なのだから、それに相応しく踊れば良い」
 謡うようにお嬢様は言う。
嬢「この家が他家に比べ、どれだけ安定した家となったかを忘れたのであれば、それを思い出し、心底から後悔するまで踊り狂えば良い」
 書棚に並べられた、当家の歴史を記す本、それを指先でなぞりながら、お嬢様は謡う。
嬢「そして、我が家を喰らおうとする者も、踊り狂えば良い」
嬢「曲目を選んだのは己だと、傲慢に笑う者よ。その曲目は演奏手によって変化さられる事を忘れている者の多い事、だが、私は忘れはしない」
 お嬢様が書棚から取り出したのは、過去に作られた多くのスコア。当家の物もあれば、他家の物もあり、また、作られただけで演奏されていない物も多い。
嬢「うちの者は踊り狂っても、全てが倒れるほど軟弱ではない、そうよね?」
 確認ではない、事実としてお嬢様は言う。
侍従「はい、かならず誰かは残ります、それが倒れた者を助けるでしょう」
 お嬢様はスコアを侍従達に手渡した。
嬢「各自、適当にやるように」
 侍従達は頭を下げ、スコアを受け取った。
嬢「私はダンスには参加できない…家令と皆のダンスと演奏を見ているわ」
侍従「はい、ご覧あれ、我ら侍従達の働きを、失礼させていただきます」
 侍従達は仕事に取り掛かった、それは、仲間の屍を越える仕事でもある。それでも遣り遂げるしかない。
 この騒乱を越えた先にある、安然とした日々を迎える為に。

な~んてね、妄想物語だから本気にしないでくださいね
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[ 2009/09/20 13:40 ] 日記 | TB(0) | CM(0)

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